トリアージ
ウェブコンソールを開くと、選択したプロジェクトのトリアージツールが、デフォルトで表示されます。トリアージツールには、フィンガープリント(Backtrace の重複排除アルゴリズムを介してクラッシュを処理するときに生成されるハッシュ)によってグループ化されたクラッシュまたはエラーが表示されます。フィンガープリントは、共通の根本原因がある一意のエラーを示すために使用されます。トリアージツールを使用すると、表示されるエラー(フィンガープリント)を絞り込み、フィンガープリントに関する集計情報を確認できるほか、フィンガープリントの解決をサポートするために実行されるアクションを有効にできます。フィンガープリントに対して実行できるアクションは、次のとおりです。
- 状態別に表示して管理する - 「未解決」、「進行中」、「ミュート済み」、「解決済み」などのフィルターショートカットを使用して、アクティビティに関連するフィンガープリントを「トリアージ」ビューに表示します。
- 再度「未解決」に設定する条件を設定する - 「Resolved Until(次のときまで解決)」や「Muted Until(次のときまでミュート)」機能を使用すると、将来のバージョンや一定期間後に確認されたフィンガープリントを再度「未解決」に設定するよう、システムに指示できます。
- 詳細を表示する - 各フィンガープリントには「詳細」ビューがあり、クラッシュに関連付けられている属性の分析、このフィンガープリントの全インスタンスの一覧、タグを付与してコメントする機能、最新のトレースをデバッグしたり、より大きなインスタンステーブルの一覧を表示したりする簡易アクションなど、そのフィンガープリントのさまざまなコンテキストを確認できます。
- 割り当て - フィンガープリントを Backtrace のユーザーに割り当てて、その解決を担うユーザーは誰であるかを示すことができます。
- 問題へのリンク - Jira や GitHub の Issues などのサードパーティのシステムに、フィンガープリントに関する情報が登録された新しい問題を作成し、リンクで Backtrace に戻ってそのフィンガープリントのより詳しい情報を確認できます。
- コメントとタグ - コメントスレッドは、フィンガープリントの「詳細」ビューで確認できます。フィンガープリントにタグを適用して、一時的にグループ化や分類を行うことができます。
- マージ/マージ解除 - 1 つにグループ化したほうがよい 2 つ以上のフィンガープリントが見つかった場合は、マージアクションを実行して今後入ってくるエラーをひとまとめにする新しいフィンガープリントを作成できます。
このドキュメントの残りの部分では、フィルターの確認、結果リスト内を移動する方法、アクションを適用する方法に関する詳細など、トリアージツールを操作する方法について説明します。
状態の表示と管理
トリアージツールでは、各フィンガープリントの状態が「未解決」、「解決済み」、「進行中」、「ミュート済み」のいずれかになっています。これらの状態は、エンジニアリングマネージャーやエンジニアが、どのクラッシュが分析を必要としているか、解決に向けて取り組みが進められているか、解決済みであるか、無視つまりミュートして問題ないかを把握するのに役立ちます。
通常、エンジニアリングマネージャーは「未解決」のフィンガープリントから着手し、エンジニアに割り当てる、Jira の問題にリンクする、「解決済み」または「ミュート済み」としてマークするなどのアクションを実行することで、関連する問題が適切に処理されるようします。
結果リスト内の各フィンガープリントにつき、次のようにデータを表示して変更できます。
- 状態を表示して、「未解決」/「進行中」から「解決済み」または「ミュート済み」に変更する。
- フィンガープリントを表示し、カーソルを合わせて詳細ページを表示したり、デバッガーでフィンガープリントを開いたりするアクションを実行する。
- コールスタックの先頭を表示し、カーソルを合わせてさらに数行を取得する。
- 発生数、影響を受けたホストまたはユーザー、アクティビティ履歴を表示する。
- システムに適用されたタグ(分類子)を表示し、カスタムタグを管理する。
- 担当者やリンクされたチケットを表示して管理する。
- 複数のフィンガープリントを選択し、マージアクションや、割り当て、ミュート、解決などの一括アクションを実行する。
「未解決」、「進行中」、「解決済み」、「ミュート済み」の各状態に関するメモ:
- フィンガープリントは、「状態」列から「解決済み」または「ミュート済み」としてマークできます。「解決済み」や「ミュート済み」としてマークされたフィンガープリントはその状態のままになり、お使いの環境で見込まれる不安定な状態をより適切に整理できます。
- 担当者が割り当てられていない、またはチケットがリンクされていない(かつ「解決済み」とも「ミュート済み」ともマークされていない)フィンガープリントは、「未解決」になります。フィンガープリントを割り当てたり、問題にリンクしたりすると、「未解決」のフィンガープリントは「進行中」になります。同じように、「進行中」のフィンガープリントから担当者を削除したり、チケットのリンクを解除したりすると、「未解決」になります。
トリアージツールに表示される列をカスタマイズする
トリアージツールで列を追加することで、優先順位をより適切に評価できます。任意のシステム属性またはカスタム属性と集計ビジュアルを選択することで、バージョンの分布や影響を受けているユニークユーザー数などを確認できます。
「詳細」ページ
フィンガープリントにカーソルを合わせると、そのフィンガープリントの「詳細」ページを表示するアクションを実行できます。「詳細」ページには、次の機能が備わっています。
- フィンガープリント全体にわたって追加の属性を分析することで、パターンをより適切に識別する機能。
その他のアクション
このセクションでは、フィンガープリントに対して実行できるアクションについて説明します。
割り当て
フィンガープリントを Backtrace のユーザーに割り当てて、その解決を担うユーザーは誰であるかを示すことができます。また、このアクションを実行すると、フィンガープリントの状態が「進行中」に設定されます。
問題へのリンク
Jira や GitHub の Issues などのサードパーティのシステムに、フィンガープリントに関する情報が登録された新しい問題を作成し、リンクで Backtrace に戻ってそのフィンガープリントのより詳しい情報を確認できます。また、このアクションを実行すると、フィンガープリントの状態が「進行中」に設定されます。詳細については、「Jira などの他の問題追跡システムとの統合」を参照してください。
コメントとタグ
コメントスレッドは、フィンガープリントの「詳細」ビューで確認できます。コメントを投稿して編集することで、解決フローを支援できます。フィンガープリントにタグを適用して、一時的にグループ化や分類を行うことができます。
ミュートまたは解決
フィンガープリントに対してミュートや解決のアクションを明示的に実行できます。「未解決」や「進行中」として表示したくないフィンガープリントはミュートします。問題が修正されたと思われる場合は、「解決済み」としてマークします。「解決済み」や「ミュート済み」としてマークされたフィンガープリントはその状態のままになり、お使いの環境で見込まれる不安定な状態をより適切に整理できます。
再度「未解決」に設定する条件 - 「次のときまでミュート」または「Resolve Until(次のときまで解決)」
フィンガープリントやリンクされた問題(Jira など)を再度「未解決」に設定する必要がある場合は、そのフィンガープリントに対して「次のときまでミュート」アクションや「Resolve Until(次のときまで解決)」アクションを明示的に実行できます。この機能を使用して、フィンガープリントを再度「未解決」に設定する必要があるかどうかを判断し、問題追跡ワークフローを自動化してリグレッションに応答するのに、どの条件を使用すべきかを指定できます。
Backtrace では、条件「フィンガープリントが <値> 以降のバージョン <バージョン属性を選択> で確認されるまで」、または「フィンガープリントが <30 分 | 2 時間 | 1 日 | 1 週間 | 1 か月> 後に再度確認されるまで」を公開しています。
条件が満たされると、システムによって状態が「未解決」に設定され、リンクされたあらゆる問題が再度「未解決」になり、属性 invariant_reopen_count が 1 増加し、invariant_reopen_last_time にそのフィンガープリントが再度「未解決」に設定された日時が入力されます。この情報が入力されると、エンジニアとマネージャーは「トリアージ」と「参照」に有用なビューを構築し、もたらされたリグレッションを表示できます。
マージ/マージ解除
マージ/マージ解除 - 1 つにグループ化したほうがよい 2 つ以上のフィンガープリントが見つかった場合は、「トリアージ」ビューで複数のフィンガープリントを選択した後にマージアクションを実行し、今後入ってくるエラーをひとまとめにする新しいフィンガープリントを作成できます。マージの解除は、フィンガープリントの「詳細」ビューから行います。